職員紹介のコーナー|2022年6月

今月は赤沢保育園で働き始めてから今年で30年を迎える田中先生です。

趣味:洋裁、ガーデニング、ミシンで小物や洋服を作ったりします。マリメッコやリバティプリントの生地が好きです。暇を見つけては庭の草花の手入れをしています。今の季節ノースポール、ラベンダー やバラが咲いてきれいです。家庭菜園ではトマト・ナス、きゅうり等を育てていますが、自分で育てて収穫した野菜の味は格別です!

好きな食べもの:ラーメン、パスタ、サラダ、辛いもの激辛ラーメンを食べに新津まで行きます。地獄ラーメンはかれこれ30年以上通っているお店です。

夢:大型犬を飼う、海外旅行いつか大型犬を飼いたいと思っています。現状では無理なので熱帯魚を飼ってのんびり魚や水草を眺めています。新婚旅行で訪れたグランドキャニオン。いつかまた夫 婦で旅行できるといいなと話しています。

我が家の二人の息子も早いもので大学4年生、中学3年生、来春就職・進学となります。いろいろ心配もありますが、楽しみでもあります。
息子たちが大きくなった今、毎日子どもたちの成長、可愛い笑顔を見られて癒されます。きれいなものを見て「きれい!」美味しいものを食べ「おいしい!」「楽しい!」「嬉しい!」「すごい!」などの気づきや思いを子どもたちと共感できるようでありたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

ワンオペ育児|2022年5月

この「ワンオペ」という言葉を知ったのは確か1~2年ほど前、某SNSの知人の投稿からでした。「週末は主人が仕事でワンオペなので実家に行きます。」というような内容の文章だったでしょうか?「ワンオペって何なに?」と疑問に思いつつも彼女の文章を読みすすめ、それが「一人で育児をする」という意味だと気づくのにそう時間はかかりませんでした。「そんな言葉が今は流行っているのか~。」と、ふと自分が育児をしていた30年ほど前を思い出していました。「当時の私にとって育児のワンオペは当たり前だったなぁ。時代は良い意味で変わったのだなぁ。」

某SNSの彼女のように頼れる実家も近くになかったため、いざという時の頼みの綱はご近所の同じ年の頃の子どもがいる、いわゆる「ママ友」たちでした。ごはんのおかずを分担して作ったり、ママチャリに子どもたちを乗せて買い物や遊びによく出掛けたりしたものでした。当時は大変でしたが、毎日がとても楽しく、私は子育てと専業主婦業を謳歌していたのでした。しかし、そんな楽しい時間も長くは続かなかったのです。あまりにも楽しそうにしている私に嫉妬したかどうかは定かではないのですが、旦那がある日突然仕事から帰ってきて「お前も働け。保育園申し込んできたからな。」と言うではないですか。「はぁ?保育園申し込んだってどういう意味?私仕事してないのに。」「だからこれから仕事探して来いよ。」「はぁ?」・・・。そんなやり取りを経て、私は泣く泣く近所のスーパーのパートに出ることになりました。

そんなことは何も知らずに遊ぶ子どもたちを横目に、私は泣きながらミシンを踏んで保育園のお布団カバーやら通園バッグなどを準備したことを今でもはっきりと覚えています。

それから5年間、旦那は一度たりとも保育園の送り迎えをしてくれることはありませんでした。何度かお願いしたことはありましたが、そのたびごとに「それは俺の仕事ではない。」の一点張りでした。

今更ここで恨み節を言いたいわけではないのですが、当時を振り返って思うのは、おそらく旦那も彼なりに育児を手伝ってくれていたのです。実際に子どもたちを連れて出掛けたり、面倒を見てくれたりもしました。ただしやってくれることの範囲と家事育児の分担の境界線は私の望むものとは大きくかけ離れていただけで、ワンオペだと思っていたのはおそらく私だけだったと思うのです。

今の保育園で子どもたちの送り迎えをしているパパたちの姿を見ると「私ももっと上手に旦那に育児に参加してもらうべきだった。」と、当時の未熟だった自分を残念に思うのです。お迎えに来てくれたパパに喜んで駆け寄る子どもの姿。なんとも微笑ましい光景です。彼は一度もそれを体験することなく、子どもたちはあっという間に成長してしまいました。

子どもが小さいうちは「早く大きくなあれ」と思うものですが、過ぎてしまうと本当にあっという間です。ですから、どうかみなさまも貴重な子育て体験を逃すことなく、十分に楽しんでもらえればと思います。

ちなみにワンオペはワンオペレーションの略で、ワンオペレーションは和製英語だそうです。

職員紹介のコーナー|2022年5月

今月は赤沢保育園の美味しい給食を作ってくれている黒井さんです。

好きなこと:食べること、ゲーム

最近、健康のために散歩を始めました。

近所でも知らない場所や景色など新しい発見があり、はまっています。

勤め始めの頃、給食の献立に「豚肉と大豆の揚げ煮」が出て、子どもの頃一番好きだったなぁ、と懐かしくなったのを覚えています。

ここでその「豚肉と大豆の揚げ煮」のレシピをご紹介したいと思います。

職員紹介のコーナー|2022年4月

 今月は赤沢保育園の『顔』とも言える小林園長先生です。

 園長先生はなんと!!!昭和62年の10月から赤沢保育園で働いています。卒園児はすべて覚えているという自他ともに認める赤沢保育園の生き字引です。

 好きなこと:お気に入りの場所で本を読むこと、旅先で早起きして知らない街を走ること、ヨガでリラックスすること、美味しいものと一緒に日本酒を味わうこと、神社仏閣を巡ること、庭を花いっぱいにすること、家庭菜園も始めました!

 一言メッセージ:子育てが一段落してから始めたランニング、勤続30周年の節目に人生に一度はフルマラソンを走ってみたいとホノルルマラソンに参加。完走したときの達成感は格別でした。これからも色々なことに挑戦出来たらいいなぁ、と思っています。我が家の一人娘はもうしばらくお嫁に行く気はなさそうなので孫はしばらくお預けですが、園の子どもたちは孫のように可愛いです。これからも職員全員で皆様の大切なお子様たちの子育てのお手伝いをさせてください。今年度もよろしくお願いいたします。

朝ごはんのはなし|2022年4月

 みなさん、今朝は何を食べましたか? 朝食はごはん派ですか?それともパン派?もしくはシリアル派でしょうか? 日本の朝ごはんの定番と言えばごはんに味噌汁。おかずはのりや納豆、卵焼きや焼き魚と言ったところですが、では他の国ではどんな朝ごはんが食べられているかご存じでしょうか?

 中国や台湾では朝ごはんはお粥だと思っていましたが、実は揚げパンと豆乳スープが朝ごはんの定番だそうです。ベトナムでは日本でもお馴染みのフォーが朝ごはんとして食べられています。ここ数年で知名度がぐんと上がったエッグベネディクトはニューヨーク発祥のおしゃれな朝ごはんメニューです。イタリアでは朝から甘いペストリーを砂糖がたっぷり入ったカプチーノと一緒に食べるのが一般的だそうで「朝からしょっぱいものを食べる日本人の朝ごはんが信じられない」というイタリア人の話を聞いたことがあります。朝から甘いものと言えば、スペインではチュロスとココア、ベルギーではワッフルが朝ごはんだそうです。

 なるほど、それならば甘いもの(お菓子)も朝ごはんにはありなのか?と早合点してしまいそうですが、実は欧米では料理に砂糖を使いません。その代わりに朝から甘いものを食べて一日に必要な糖分を補っているのです。日本やアジアの国のお料理には砂糖を使うので、欧米諸国の食文化を朝だけ取り入れてしまうと糖分の摂りすぎになってしまうので注意が必要です。甘い菓子パンなどは子どもの朝ごはんにはうってつけですが、食べる量や頻度などは工夫をした方が良さそうですね。

 この春から職場復帰し、新生活のスタートを切った方もいらっしゃると思います。働く子育て世帯の朝はそれこそ戦場さながらの忙しさで、子どもや自分の身支度をしながら朝ごはんを作って子どもたちに食べさせるのは至難の業だと思います。せっかく作ったのに食べてくれなかったり、後片付けに手間取って遅刻してしまったりと、毎朝四苦八苦されているのではないでしょうか。

 ネット上では様々に工夫された子ども向けの朝ごはんメニューや時短、作り置きレシピもたくさんあるのでそれらを試して「我が家の定番朝ごはん」を見つけてみるのもいいかもしれません。

 農林水産省が発表する食育白書によると、朝ごはんを食べない小中学生の割合は近年増加傾向にあるようです。子どもの朝食抜きは体や脳の発達にも影響を及ぼすと言われています。とはいえ、時間が無いのにだらだら食べる子どもに「さっさと食べなさい!」と声を荒げたり、子どもを一人だけにして食べさせたりするのは好ましくありません。また目覚めてすぐでは食欲も起きません。起床後から朝ごはんまではできれば30分程あけるのが理想的だそうです。 まずは家族みんなで早寝早起きの習慣から、そしてゆとりある一日のスタートが切れるよう、無理のない範囲で理想の朝ごはんタイムに近づけるよう少しずつ心掛けてみてください。

※食事に限らず、育児でお困りのことがありましたら お気軽に担任、職員までご相談ください。

職員紹介のコーナー|2022年3月

 今月は毎日美味しい赤沢保育園の給食を作ってくださっている西さんです。

 好きなこと:フラ(フラダンス)、食べ&飲み歩き、ネトフリで韓国ドラマ

 行きたい所:フラワークを受けたハワイ、美味しいものを食べに韓国

 一言メッセージ:子どもたちに美味しいと思ってもらえるよう日々頑張って給食を作っています。新しい手作りおやつもどんどん取り入れていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 おススメ給食メニュー:鶏肉のマーマレード焼き

 【材料】

 鶏もも肉                    :150g

 ショウガ・ニンニクのすりおろし(チューブでもOK):少々

 しょうゆ                    :小さじ1

 マーマレード                  :小さじ2

 酒                       :小さじ⅓

 材料に鶏肉を漬けて焼くだけなので簡単です!

手作りコサージュ|2022年3月

卒園、入学式シーズンですね。

春のフォーマルな装いを一段と引き立ててくれるのがコサージュですが、いざ探してみると案外自分好みのものが見つからず、ということで、今回はコサージュを手作りしてみました。材料は100円ショップで揃うものなのに、見栄えはお値段以上、想像以上です! コサージュの作り方はネットや動画などでも多数紹介されていますが、とても簡単で2時間もあれば作れてしまうので、こちらでもご紹介したいと思います。

① リボンを50㎝ほどにカットし、リボンの端から縫いはじめます。縫いはじめはギャザーを寄せる反対側のリボンの角から針を入れ2㎝ほどは斜めにギャザーを寄せる側へ向かって縫い、そのあとは端から1~2ミリほどの位置をリボンの端に沿って縫います。(ポイント:縫った部分から少しずつギャザーを寄せるように糸を絞っていくとあとで形が作りやすいです。ギャザーを作る時、強く糸を引っ張ると糸が途中で切れてしまう事があるので、あまり強く引っ張らないように!ミシンで縫う場合は一番目を粗くして縫ってください。)

② 縫い終わりも縫いはじめと同様にリボンの端2㎝ほど手前からギャザーを寄せる反対側に向かって縫います。縫い終わったら糸を引っ張り、リボンにギャザーを寄せてお花の形になるよう整えます。ギャザーが緩んでお花の形がくずれないよう中心部分を固定するようにしっかりと縫い付けます。(ポイント:縫いはじめの斜め三角部分がギャザーを寄せると少し飛び出すので、その部分を花の軸にしてギャザーを寄せたリボンを巻き付けるようにして縫い付けると固定しやすいです。ここでも糸を強く引っ張りすぎると切れてしまうのでゆっくりと慎重に!)

③ リボンの花は好きな数だけ作ります。(今回は色が微妙に違う2色のサテンリボンで3個ずつ、計6個のお花を作りました。オーガンジーなど違う素材のリボンを組み合わせても素敵ですね。リボンの素材や幅に合わせて使うリボンの長さは適宜調整してみてください。)

④ 出来上がったリボンの花にビーズを付けながらそれぞれの花をつなげて最後はリースのように輪にします。糸を通す順番は、花芯の裏側から針を刺し→花芯の表に針を出し→ビーズを通し→花芯表側から花芯の裏側に向けて針を刺し→次の花芯裏側へ~を繰り返し、最後は最初の花の花芯裏側につなげて輪にします。輪にしたら糸を少しずつ引っ張ってふんわりした丸いドーム型になるよう形を整え、形が決まったら糸で固定し、最後にブローチピンを裏側にしっかりと縫い付けて完成です。 分かりにくいところがあったらどうぞご遠慮なくご質問ください!

職員紹介のコーナー|2022年2月

 今月はひよこ組担任の井早さやか(いはやさやか)先生です。

 出身:大阪、育ちは岡山、いろんな県で人生を歩んできました。

 好きなこと:旅行、キャンプ

 好きな食べ物:新潟のおにぎり、新潟のおにぎりが好きで、いろんなお店のおにぎりの写真だけを載せるインスタをやっています。

 子どもだった頃、当時通っていた保育園の保育士がバスで子どもたちの人数を数えたり、朝の受け入れをしたりする姿を見て、楽しそうだな、私もやってみたいなと思ったのが保育士を目指したきっかけです。子どもの頃は家では人形を椅子に座らせてバスに乗ってる保育士のまねをして遊んでいました。(今まで勤めた保育園は全てバスなし)。

 将来の夢:新潟の旅館を見て、自分も将来は旅館を経営したいなと思っています。

趣味と子育て|2022年2月

みなさん趣味はお持ちですか?

『出産と共に遠ざかってしまったけれど、そういえば以前は楽しんでいた趣味があった』『今は子育てと仕事と家事で日々忙殺されて趣味どころではない』といった方が大半かもしれません。

 インターネットで子育て、趣味、というキーワードで検索をしてみると、子育て中の奥さんが出産育児でしばらく遠のいていた趣味のダンスがどうしてもやりたくて、子どもを保育園に預けてまで踊りに行った。せめて子どもが1歳になるまで待てなかったのだろうか。というような内容のご主人からの投稿を見つけました。

子どもが出来たなら自分の趣味はしばらく我慢すべきだ、子どもと一緒に家で踊ればいい、というような意外にも手厳しい意見が回答として寄せられていましたが、みなさんはこの状況をどのように思いますか。私はたった数時間でリフレッシュ出来るなら、彼女にその時間を作ってあげたらいいのではと思いました。

おそらく彼女は初めての出産、育児で、子どもが産まれてからずっと頑張ってきたはずです。でもその傍らで「なぜ自分ばかりがやりたいことを我慢して子育ての犠牲にならなければならないのか」と自問自答を繰り返し、時に涙してきたのではないでしょうか。

 子育ては大変な仕事なので出産前と同じ生活を望むのには無理がありますが、自分ばかりが我慢している、という感情を持ったままで子育てをすることは良くないように思います。

産後うつになってしまったり、子どもにあたってしまったり、夫婦不仲を招くくらいなら、数時間子育てから開放してあげても全く損はないと思います。もちろん物事には限度があり、その回数や時間が度を越してしまうなら話は別ですが。

 私が子育て真っ只中だった頃、誰かに子どもを預けて一瞬だけ自由な時間をもらったことがありました。結論から言うと子どものことばかりが頭に浮かび一人の自由な時間はちっとも楽しいものではありませんでした。あれだけ待ち望んだ時間だったにもかかわらず、さっさと切り上げて子どもたちの元へ一目散で帰った記憶が今もはっきりと残っています。

 子どもが産まれ生活が一変し、以前は楽しく感じられたことも今はそれほどでもなくなってしまっているかもしれません。『自分は我慢をしている』という負の感情だけがどんどん大きく膨らんで、すでに自分の中では価値を失った物事をまぼろしのように追い求めているだけかも知れません。でもそれは実際に自分自身で確かめてみなければわからないことなのです。

 忙しいながらも、家事や育児とのバランスを取りながら自分だけの楽しみの時間を持つことは、生活にもメリハリが生まれ暮らしを豊かなものにしてくれるはずです。

※赤沢保育園では一時預かり保育も行っております。育児による疲労・ストレスからのリフレッシュを目的としてご利用いただくことも可能です。

子供の幸せを願って その3|2022年1月

 『子どもの良いところを伸ばす』と聞いてみなさんはどんなことを頭に思い浮かべるでしょうか。子どもの資質や才能を見出すことはたやすいことと思えないのは私だけでしょうか。なぜなら『良い』と感じるのは私自身の価値観で、またそれはその時々の状況に流され、変化したりもするからです。仮に子どもの良いところを見つけてあげたとしても、それを伸ばしてあげるために維持し続けることは容易ではないように思えるのです。

 今回は、たとえ周囲から何と言われようとも、我が子の一番の理解者、協力者となって信念を曲げずに子育てをした結果、子どもの良いところを十分に伸ばして大きく実を結んだ例をご紹介したいと思います。

 その男の子が2~3歳の頃は近所の公園に連れて行くと、砂場で黙々と泥だんごを作り続け、夕方になっても「砂場のふち全部に泥だんごを置くまで帰らない」という頑固さに、母は気長に付き合ってあげていたそうです。幼稚園の頃はひたすらトラックの絵を描き、小学校へ上がると今度はトラックの絵に妖怪の絵が加わり、そしてある日を境にタコの絵ばかりを描き続けるようになったそうです。

 小学校へは教科書の代わりに魚の図鑑をランドセルに入れ、放課後になると近所の魚屋や図書館に通い、明けても暮れてもタコに心酔する息子に母は毎日のようにタコのお刺身、タコの煮つけ、タコの酢の物を晩御飯に作ってあげたそうです。

 そればかりか週末には息子を水族館へ連れて行き、閉館時間までずっとタコの水槽の前から離れない息子に「タコって面白いんだね、お母さんもどんどんタコが好きになってきたよ。」と言って、タコに夢中な息子に付き合ってあげたのだそうです。

 少年の興味はその後タコから魚全般へと領域を広げていきます。学校帰りには往復2時間もかけて大きな魚屋まで足しげく通い、いつしか見よう見まねで魚をさばくことまで出来るようになります。母は魚を買うときは必ず一匹まるごと買い、料理の前に息子に魚の絵を描かせるのでした。

 そんなお魚ばかりの生活をしていたら当然のことながら学校の成績は下がるいっぽうです。「授業中に魚の絵を描いてばかりで授業にまったく集中していません。おうちでも学校の勉強をきちんとやるように指導してください。」という先生に、「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからこのままでいいんです。成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんなが一緒だったら先生、ロボットになっちゃいますよ。」と、お母さん。私が仮にこの子のお母さんだったら先生の言葉に動揺し、「お魚だけに没頭することが良いこと」とは決して思えなくなり、どうにかして勉強させる方法を考えたと思います。

 「お魚が好きならとことんやりなさい。」というお母さんの一貫した姿勢に支えられ、少年は自分の中から湧き出てくるお魚への情熱を一度も我慢することなく大人へと成長し、後に「さかなクン」の愛称でテレビの人気者となり、遂には子どものころの夢だった東京海洋大学の先生になったのです。

 子どもの幸せってこういう事なんだな、と彼の自伝『一魚一会』(いちぎょいちえ:講談社)を読んでそう感じました。おそらく小中学生向けに書かれた本だと思いますが、子育てをする親の目線で読んでみてもとても面白いと思いますので、この年末年始に家族みんなで読んでみてはいかがでしょうか。