寒冬(かんとう)|2012年2月

 暖冬はよく聞きますが寒冬はあまり耳にしない言葉、広辞苑にもその記載はありません。

 冬は寒くて当然のことですから熱い熱湯のように響いて寒冬は言葉の治まりが気になります。しかし気象用語では12月~2月の三カ月平均の気温が過去30年平均を上回ると暖冬と言い下回ると寒冬と呼ぶのだそうです。2月の気象はまだこれからですので正式にはまだ寒冬と決められませんが、これまでの今冬の気温は寒冬にあたる記録なんだそうです。

 それにして大寒に入ってこれまでの気候は文字通りの大寒で降雪も寒さもしっかりとしている。しかしこの寒気も次の春の到来の前触れで、最近は確実に夜明けは早まり日没の時間も遅くなり、春間近を教えてくれます。

 昨年の今頃の話題といえば、宮崎県の牛や豚の口蹄疫防除のために大量の牛の殺処分がタレント出身の東国原知事の奮闘もあって漸く鎮まりかけておりました。また霧島山系の新燃岳の噴火による降灰被害が報じられ、宮崎県の皆さんの散々のご災難には強く同情を寄せていたのでした。その宮崎県の大事件も何もかも吹っ飛ばす大事件が「3・11の東日本大震災」。「来年の話をすると鬼が笑う」の格言を今更ながら噛みしめております。

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〘石井式漢字かるた第12回新潟県大会〙

 年明けの1月14日(土)午前10時~午後3時の予定で表記「石井式漢字かるた新潟県大会」を実施いたしました。場所は例年通り新潟市内の「新潟ユニゾンプラザ」内の多目的ホールで実施、予定通りに終了いたしました。

 今回の参加者総数は215名。前回より30名ほど減りましたが、これまで参加していた江南区のW園が準備不足のため不参加と竹野町保育園が例年より10名ほど参加数が少なかったためでした。三条市の各園と赤沢は例年通りの参加数でした。

 試合結果の入賞者数は、参加人数が圧倒的に多い三条市3園が多かったことは当然ですが、今回は赤沢も練習のかいあってか優勝こそ逃しましたが、「年中諺」で2位・3位・4位を、「年中俳句」では2位・7位を、「年長俳句」では3位・4位を獲得する大健闘でした。

来る2月11日(土)に東京墨田区で開催の全国大会での活躍を期待します。

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 大道をまっすぐに進むのがよい。それは、よしそれがまわり道には見えても、平らで正しい。これに反し、近道とも見え、変化の魅力をもっていても、小道はやがて行きづまりがくる。(「諸橋轍次・中国古典名言事典」より)

 県央三条市、旧下田(しただ)村地区に「漢学の里・諸橋轍次記念館」がある。同館は明治16年に同村出生の、親字5万熟語56万という厖大な大漢和辞典を編纂した新潟県の誇りでもある世界的な漢学者諸橋轍次博士を記念して建てられたもの。記念館正面の壁面に冒頭の句「行不由径」が記されている。諸橋博士の座右の銘とのこと。

 中国4千年の歴史を通して孔子を初め多くの先賢が残された教訓は数知れない。そのような数多くの教訓をもっともよく知る大学者が自ら選ばれた座右の銘となるとそれは興味深い。しかし選ばれた言葉は誠に平凡で地道なしかし貴重な教えです。よく味わいたいものです。
 子育て中の皆様方はご自身と子どもさんの将来の事は常に念頭にあるはずです。またその皆様方の子育てにお手伝いさせていただいている私どもにとっても同様重要な関心事です。それだけに何かお役に立つ事柄情報の提供を常に心掛けております。

 皆さん、歌手水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」はよくご存じと思います。ご記憶の方はあの曲の歌詞を思い出してみて下さい。

    ”幸せは歩いてこない   だから歩いてゆくんだね

      一日一歩 三日で三歩   三歩進んで二歩下がる

    人生はワンツーパンチ   汗かきベソかき 歩こうよ

     あなたのつけた足跡にゃ  きれいな花が咲くでしょう

    腕を振って足を上げて  ワンツー ワンツー  休まないで歩け”

 この曲の作詞者星野哲郎さんは一昨年85歳でなくなりました。大変な苦労や健康上の困難を克服して数多くの歌謡曲(男はつらいよ、兄弟船、北の大地、等々)の作詞を手掛けました。それだけに歌詞には人の心に響くものがあります。

 作詞者星野さんは読まれたかどうかわかりませんが、世界的に有名なフランスの哲学者アラン(1868~1951)はその著「幸福論」の中で幸福は自分のほうから思っただけでは決してやってこない。幸福になるためにはまず幸福の山に登ることを ①自ら決意することであり、次に汗かきベソをかいてでも②努力し、ワンツーワンツーと③行動を継続することであると説いている。また他人との間を和やかに保つことが肝要であり、そのためには微笑みと礼儀を親しい間柄の人々(家族)の中でも忘れないことを強調している。この「マーチ」の歌詞が幸福論の主旨と近似しているのには驚きました。
 「幸福論」は、エッセイ風の短文形式で書かれており、哲学者・幸福論という語感からくるいかめしさがなく読みやすい。一読をお勧めします。

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一陽来復|2012年1月

 「一陽来復」という四字熟語、その意は単的には「夜の後には必ず太陽輝く朝が来る」ですが、この熟語がこの新しい年に実に相応しく響くと感じているのは私だけでしょうか。

 平成23年は言うまでもなく東北地方を襲った歴史的な大震災の年。その災厄の闇を一日も早く払しょくしたいものとの願いを強くこめてこの新しい輝く太陽の年に期待するばかりです。

 11月に東日本大震災の見舞いのために来日されたブータン国王、日本に対する暖かい心遣いと敬愛の態度には接した人々の関心を強く揺さぶりました。また放射能を恐れ多くの外国人が訪問を敬遠する被災地を訪れ、被災者に親しく慰問の声をかけられたりと、あらためてその心暖かさには接した人々に強い感動を与えて帰国されました。

 ブータンは中国とインドに挟まれたヒマラヤ山脈の山岳地帯に位置し面積は日本の九州程、人口は約70万人。つい40年ほど前までは外国人の入国を拒み続けた鎖国の国でした。鉄道もなく交通は徒歩か自動車。文字通り世界のへき地であり物質文明的には全く未開なド田舎の貧しい国ですが、鎖国時代に日本人の先人の献身的な農業指導もあってか 大の親日国。先の昭和天皇の逝去後、先代国王は1ヶ月の喪に服されたという親日ぶりの国です。

 今年は未曽有な災厄の年でした。一陽来復、来る年はハッピーハッピーなニューイヤーであることを心から願います。

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サンタクロースが保育園にやってきました!!

 カレンダーの日取りで今回の「クリスマスお楽しみ会」は12月22日(木)に実施となりました。サンタ役は近年新潟大建築科の学生さんにお願いしておりました。今回は希望者5人と人数に戸惑いましたが、結局サンタ3人にトナカイと従者という役割とプレゼントに子ども達は大満足。

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《第42回新潟県ジュニア美術展》

 新潟日報社主催の第42回新潟県ジュニア展、同展は県内の保幼少中学校にとっては目標となる代表的な作品展。 今回の応募施設数は732園・校、応募総数36,679点。その中から特賞30点、優秀賞190点、奨励賞1840点が入選。作品展示新潟会場は県民会館で11月26日~12月8日でした。うさぎ組以上の園児全員で12月5日見学に行ってきました。

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石井式漢字かるた園内大会結果

 毎年恒例のかるた大会。大会が近くなると子ども達の技量は日増しに向上します。大会結果の取札数をみても同枚数が目立ちます。同枚数の場合、同枚数同志で別に決定戦を実施して順位を決める。やる気と練習量と運の違いが順位でしょうか。県大会で頑張りましょう。

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勤労感謝の日を目処に|2011年12月

 毎年、勤労感謝の日を目処メドに園の玄関前の風防壁を取りつけます。玄関の熱帯魚の水槽の内部飾りもクリスマスモードに変りました。

 信濃川河畔から遥かに望む山なみの福島県境のひときわ高い飯豊・大日岳の山塊はすでにすっかり銀白色に変り、前山の二王子岳や五頭山・菱ケ岳連山もやがて雪に覆われる本格的な冬到来も間近です。

 今年は言うまでもなく歴史的な大災害の年でした。一千年に一度とか言われる自然災害に加えて放射能汚染という人災も加わった 「3・11東日本大震災」、特に被災地が立入り禁止区域にお住まいの方々のお気の毒は計り知れないものを感じます。永年生まれ育った土地に入ってはいけない、そんな事は想像を超える不幸な理不尽な話です。

 震災の被害を廻って「想定外」という言葉の使い方が話題になりました。責任回避のために「想定外」という表現で逃げてはいけないということが論拠のようですが、明らかな人災に関してはともかく、自然災害の予測に関してはその論議には異論を感じます。自然の動きや変動を現在の人智で予測がどれだけ可能かという問題です。

 皆さん「地球カレンダー」という話を耳にされたことがおありでしょうか。

 ご存知のように地球が誕生したのは今から約46億年前といわれております。その46億年を1年のカレンダーの長さの中に縮めた場合一千年の長さはどれ位になると思いますか。

 2011年前のキリストの誕生は地球カレンダーでは12月31日午後11時59分46秒でほんの14秒前のこと。人の一生は80年としても0.6秒なのです。

 農耕牧畜といった人間らしい生活が始まったのが約一万年前、同カレンダーでは1分8秒前のこと。

 地球の内部は厚さ百㎞の岩盤(プレート)がどろどろのマグマを覆っており、絶えず少しずつ動いている。プレートの微動が地震であり、マグマが表面に現れ出るのが火山噴火で溶岩だ。その活動変化を予知予告する技術はまだ想定外領域だ。

 地球の屋根と言われるヒマラヤ山脈が海の底だったのは約五千万年前で、地球カレンダーでは4日前のこと。地球はまだまだ若いのです。

 この度の震災が一千年に一度といっても長い地球の歴史の中では極く微細な一瞬の動きでしかない。また明日にでも起こるかもしれませんし一生遭うこともないかもしれません。ということで1日1日の今の瞬間を大切に過ごしたいものです。

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第32回 縄跳び大会

 去る11月25日(金)、園内縄跳び大会を実施致しました。

 みんなガンバリました。大会に備えて園児達は練習を通して、一日ごとに飛べる回数が増加し飛び方が上達していくのがはっきりとわかります。園児自身も自分たちの上達が一日一日とはっきりとみてとれ、同時に飛ぶことの楽しさともっと記録を上げたいとの意欲を一人一人が持ち始めたところです。

 大会が終わってもその熱は当分持続することでしょう。その結果「やれば出来るんだ」ということの学習がなによりの収穫ではないでしょうか。

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 毎年恒例のジュニア美術展、応募の結果、ぱんだ組園児(4歳児)(左図)、ぞう組園児(5歳児)(右図)の2名が入賞いたしました。

なお、12月5日にうさぎ組(3歳児)以上はバスで同展を見学の予定。

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 保護者の皆様の暖かいご協力の元で本年度の「バザー・作品展も無事に楽しく終わることが出来ました。厚く御礼申し上げます。

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霜降(そうこう)|2011年11月

 10月23日から11月7日までの期間を旧暦の二十四節気では霜降に当ります。次の節気は立冬で冬に入るわけですが、旧暦と現在の太陽暦とでは約一ヶ月の季節のずれがあるので実際の気候は11月一杯は秋。それにしてももう今年も残りわずか、まったく月日の経つのは「ハヤッ」ですネー。

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バザー・作品展

 今年最後のビッグイベント「バザー・作品展」の日程が間近になりました。

 ということで園児達&各保育士達は今その準備に大忙し。どんな風に仕上がるかお楽しみです。

 下の写真をご覧ください。11月発売予定の保育関係用品大手の「チャイルド本社」発行の月間保育誌「POT 12月号」です。

 同誌の最後の見開きページに昨年の「赤沢保育園ぞう組の作品展とお遊戯会」のシーンの写真が掲載されました。

〇で囲んだ個所の説明文をここにご紹介しますと‥、

 新潟県新潟市赤沢保育園 富樫真由美先生

 作品展で作った「ちびっこオーケストラ」。ロングスカート、タキシード姿のちょっぴりおしゃれな自画像は、本人そっくりの力作です。テッシュボックスで作ったバイオリンを持ち、スタンバイです。すてきなアンサンブルになりました。

 11月1日から全国書店で発売予定。

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いも掘り遠足

 10月7日(金)、市内江南区両川町へのいも掘り遠足は、好天に恵まれ予定通りにイモの収穫を楽しむことが出来ました。

 実のところ前日までは不安定な天気続きだっただけに、今回は駄目な場合を強く想定しておりましたが、無事終了に感謝の気持ち一杯です。これも玄関の「ジャイアンてるてる坊主」のお陰と、感謝々々です。

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県立自然科学館訪問

 10月12日(水)、ぞう・ぱんだ・うさぎ組と揃って鳥屋野潟畔の「新潟県立自然科学館」を訪問、好天に恵まれ秋の一日を楽しく過ごすことができました。

 毎年利用していた無料バスが県の経費削減のため廃止されました。未来のエジソンやキュウリ―夫人のきっかけかもと考えて園でバスを頑張りました。

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新潟小学生・来園

 去る10月26日、市内新潟小学校5年生7名(内赤沢卒園生2名)が、総合学習活動の一環として昨年に引き続いての来園がありました。

 ぞう組園児達と約一時間程、じゃんけん列車等の遊びを通して交流を深めました。

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神 無 月(かんなづき)|2012年10月

 その昔、10月になると日本中の神様が出雲にお集まりになり出雲以外の国々には神様がいなくなることからこう呼んだのだそうですが‥‥。

 昔の人は随分いろいろな事を想像されたものだと楽しくなります。全国から神様方が集まって一体何を会議されたのでしょうか気になるところですが、縁結びの話も大きな議題だったことは間違いなかったようです。なぜならば出雲大社は縁結びの神様として歴史上日本ナンバーワンで有名な神社であることはご存知の通り。

 ついでに現代人として神話時代当時を勝手に想像をするならば、出雲(いずも・現在の島根県)に全国の神様(地方代表者)が集って会議することは、現在の知事会議あるいは国会に当たるものだったのでしょうか。議題として神代時代でも権力や領地に関わる問題などもあったことでしょうが、農業収穫などが一番大きな議題だったではなかったかと想像されます。しかし、そんな中で「縁結び」が話し合われたということには実にほのぼのとした人間らしさを感じます。と同時に現代は取り返しのできない大きな大切な忘れ物をしているように思えてなりません。

 秋分を過ぎるとそれまでの暑さが嘘のようにめっきり気温が下がりました。秋口は薄着習慣を身につける絶好の機会と先月号で書きました。それに偽りはありませんが、無理をして風邪を引いたりしてはいけません。くれぐれも子どもさんの体調・発育状態・体力そしてその日の天候状況に注意しながら上手に薄着習慣をつけるように努めましょう。

 9月は赤沢保育園として皆様方のご関心をあらためて頂戴した月でした。 まず早々の2日に、長野、群馬、兵庫各県の大学・短大の保育福祉講座ご担当の先生方のご訪問を受けました。日本最初の保育園の創立に関わる話を園長から直接尋ねたいとのことでした。

 さらに18日(日)新潟市発行の「新潟市報」’新潟市何でもナンバーワン’欄に掲載ご紹介をいただきました。

 また、21日(水)にはBSNラジオの9時~12時「近藤丈靖独占ごきげんアワー」の11時30分から15分程の中で赤沢保育園を取り上げて戴き、創立に関わる園長の話や、同局キャスター水島知子さんが園児達と一緒に漢字かるたとりに参加奮戦され見事3枚ゲットされた様子などの放送がありました。 

 いも掘り遠足当日万一悪天候の場合、次のような予定でおります。
①行く先は黒埼の「ふるさと村」に。(土砂降りの場合は中止もあり)
②変更の場合、翌週土曜日15日にいもの回収を予定しております。この場合、園職員だけではできませんので保護者有志皆さんのマイカーでのご協力をぜひお願いします。

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再び「栴檀は  双葉より 芳し(せんだんは ふたばより かんばし)」について

 前号「9月園だより」 掲載のひよこ組一歳児の皆さんが石井式漢字学習に際して見せた、学習に見事に集中している写真を思い出して下さい。撮影しながら思わず上記の言葉が念頭に浮かんだのでした。見慣れている筈の風景なのですが園児の皆さんの集中する姿の美しさは見るたびに感激を覚えます。そこであらためてご説明いたします。

 栴檀は高価で知られる最高級な香木、白檀(びゃくだん)のことで、香り高い風を出す白檀製の扇子はご存知と思います。栴檀の仲間で木質が黒っぽい種類は紫檀・黒檀であり高級家具材として有名。その香り高い栴檀は芽の時・双葉の時から高い香りを発するということで、優秀な人は幼児の時から違うものだとの意。園庭に栴檀はありませんが実生(みしょう・種からの)の山椒(さんしょ)の木があります。それが芽の時から強い香りがあったことを記憶しております。

 遺伝学上全ての子どもが同一なことはありません。一人一人それぞれ違いを持って生れてきているのですが、皆んな、素晴らしい最高級香木です。ですが香りはそれぞれ違うことは当然です。

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《保育参観》

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処 暑 ⇒ 白 露 ⇒ 秋 分|2011年9月

処 暑 (しょしょ)⇒ 白 露(はくろ) ⇒ 秋 分(しゅうぶん)

 旧暦では一年365日を二十四等分してその一単位(約15日)を節気(せっき)と呼び、その二十四節気のそれぞれに時期に見合った自然現象を取り入れ季節の節目を際立たせたり生活の知恵を織り込んだりの味わいある名称を付けている。8月23日からの節気名は「処暑」。処暑とは夏の暑さも落ち着きどころ(処)を見付けておとなしくなるということで、何日かのズレはあっても今年の場合も見事にその通りの気候となっている。処暑の次の節気は今年の場合9月8日から白露となる。その頃から朝晩めっきりと涼しさが増し、野の草に露が目立ってくる。

 気候が涼しくなると当然のことながらそれに見合って服装が厚くなっていく。先月の「園だより」で過保護について触れた。愛情たっぷりは大いにけっこうだが、物事全てに限度がある。よかれと思う親心も「過」がつくといけません。ほどほどがよいと言われても、そのほどほどが分りにくいというよりも分らない。その見分け方として厚着かどうかに着目することを申し上げた。しかしその厚着問題にしても自分の子どもだけを見ていると、それも最初の子育ての場合は、選んだ服装が厚着かどうかの判断は簡単ではないが常に念頭に置いて下さい。

 子ども達の環境自然に対する適応対抗力は2歳頃になるとかなり備わって来る。しかし自らの判断で対応対策の選択となると5歳前後までは全く出来ない。そこは保護者が機能性やファッションも含めて100%服装選びする責任がある。

 秋口は無理なく薄着習慣を付ける絶好の機会:

 秋分を過ぎると日一日と秋は深まり、気温もそれにつれて下がる。服装はそれに反比例して厚くなっていく。気温の変動も一様ではなく気まぐれで日々に異なります。保護者も自分の服装にも気配りしなければなりません。

 通園途中の気温が低くとも園内は温暖です。また園児達はさっそく全身で動き回る。4・5歳ともなるとその運動量は大人の想像を超える。園内では子どもの状態や天候をみて服装を適宜に着替えたりして調整します。着替えやすい服装と着替えの用意を忘れないでお願いします。

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栴檀は 双葉より 芳し(せんだんは ふたばより かんばし)

 ひよこ組の一歳児の皆さんが保育士の示す漢字カードを熱心に注目する姿をみて、思わず上記の格言を頭に思い浮かべたのでした。

 下の写真を撮影したのはこの8月下旬。8月までに2歳になった方もいますが今年の4月時点では全員一歳児さん。この年頃の子ども達がそろってこんな風にきちんと着席していることだけでも信じ難い光景ではないでしょうか。やらせなどが仕組める年齢でないこともよくお判りと思います。

 1歳児達が熱心に集中して注目しているのは石井式漢字学習の実際の一こま。左端の写真のように「鼻」の漢字を見せながら保育士が自らの鼻を指し示す。このようなやり方を繰返しているうちに子ども達は漢字を憶えるのです。

 子ども達にとって漢字は難しいので、まずひらがなあるいはカタカナから入るのがこれまでの国語教育の常識であり教え方でしたが、石井先生はこれは全くの思い違いで幼児達にとって漢字のほうがひらがなやカタカナよりも遥かに興味深く記憶し易いとの主張。下の写真の子ども達の集中した表情が何よりの証拠。  

 栴檀のように双葉の時から無理なく高貴な香りを発することを目指している。

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お誕生会の紹介

 原則として毎月月末の金曜日をお誕生会日としている。

 お誕生会は園の月例行事として毎月、該当月にお誕生日を迎える園児を園として他の園児達と一緒にお祝いを致します。

 お誕生会の内容についてざっとご説明しますと:

①当月にお誕生日の園児(達)お誕生会ゲストとして会場(遊戯室)にご招待します。会場には全園児、該当園児の保護者(うさぎ・ぱんだ・ぞうの各組の)、職員が集まります。園児保護者3歳以上の組に限らせて頂きます。

②該当園児にお祝いに記念アルバムを園から贈ります。

③この日のために職員達がお楽しみ行事を用意します。(8月はお化け屋敷)

④保護者の皆さんと子ども達と一緒に昼食(給食)をとる。

 以上が毎月のお誕生会の内容の概略です。3歳未満児の保護者が参加されると該当園児が甘えると他の園児たちも崩れてしまうためです。ご理解をお願いします。

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過保護の目安|2011年8月

 物事、過ぎたるは及ばざるがごとし。子育てに当たってもそれは極めて重要な心構えです。不十分な状態や不足な状態にあると、人はその不足分を満たそうという目標意識が発生し達成意欲が起こります。度を超すことは不足同様に至らぬものだと「論語」は教えておりますが、むしろ常に不足気味のほうが努力や改善意欲を感じて好ましいことではないでしょうか。

 例えば体の健康問題を考える場合、満腹よりも不足気味の腹八分が良好な健康を保つために有効なことはよく知られいる、というよりもこれは真実です。 子育てに当たって過保護が好ましいことではないこと位は言われなくても百も承知の上で、それぞれそれなりに意識しながら子どもと接しておられるはずです。少なくとも常にベスト(最善)ではなくともベター(次に善い)を心掛けているはずです。

 とは言っても最善を目指しながら最悪と思えるようなことを目にすることはよくあります。横並びに皆さんの行為や考えに」接しているだけにそれが出過ぎたものか控え目かが見えるのです。常に過食や糖分の取り過ぎをあまり気にされない方がいるように。

 過保護かどうかの目安は分りやすい。 まず例外なく厚着です。風邪を引いていたり体調が悪くもないのに真夏でも重ね着や厚手のスパッツや足首までのズボンをはかせている。常に他者よりも厚着である。厚着は間違いなく弱い身体を造る。 英語の諺(ことわざ)「健康な心は健康な体に宿る(A sound mind in a sound body.)」 は変らぬ真理です。

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朱鷺メッセの七夕飾りに参加:

 朱鷺メッセの年恒例行事の七夕飾りのお手伝いにぞう組の皆さんが参加いたしました。7月1日、全員元気に会場まで歩き、楽しくお役目を果たしてまいりました。下の写真はその時の様子です。 

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新潟祭り民謡流し

 今年の新潟祭りの民謡流しは8月5日(金)夜7時開始の予定。 保育園関係の踊る場所は旧鏡橋跡前から万代橋手前のホテルオークラ脇までの区間が割り当てられました。 

 下の写真は昨年の踊りの際のスナップです。御覧のように在園児の皆さんの応援観覧参加はもちろんのこと毎年卒園の皆さん方も多数お出でになります。皆さんは園の職員達との久し振りの再会やお話を交わしたり一緒に踊ったり記念写真を撮ったりを目当てに来られます。園の職員達もすっかり大きく成長された卒園児の皆さんとお会いできるのを大きな楽しみにしております。  

 ところがここで困った苦情が保育園関係の踊りに寄せられているのです。というのは保育園関係の踊りの進行が上のような事情のため整然と進まないで乱れがちになります。ために保育園グループと隣接するグループが迷惑し、踊り全体の進行にも支障があるのでその点大いに反省考慮するようにとの申入れを厳しく受けております。  

 ということで今回は保育園関係は大いに反省し、将軍様の前のパレードのようにとはいかないまでもしっかりと踊りの進行に協力することになり、せっかく来られてもアイソなしになるかもしれませんが、事情ご理解の上お許しをお願いします。  

 それはそれ多数のご声援をよろしくお願いいたします。  

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運動会(6月26日)|2011年7月

赤勝て! 白勝て! 運動会

待ってた 待ってた 運動会 ワーイ ワーイ  赤組だ  白組だ

   綱引きだって  負けないぞ フレ  フレ  フレー

      駆けっこだって  負けないぞ フレ  フレ  フレー

 と、ここまでの見出しは昨年の「園だより」と同様になりましたが、今年の運動会は去る6月18日に予定通り会場の豊照小学校体育館で開催、お陰さまで無事に楽しく終了致しました。

 会の進行は 例年通りに楽しい演技や熱心な競技が繰り広げられました。保護者の紅白リレー毎年僅差でデッドヒートの争いとなって盛り上がるのですが、今回は残り走者4~5人目辺りから白組が半周以上引き離し優勢がはっきりしてきたので、今年は最後のデッドヒートの興奮はないかと思われたのですが何と何と最後の半周の地点で白組アンカーが転倒して追い抜かれ土壇場で逆転し、赤組勝利となるドラマチックなエンデングでした。

 わが子、わが孫が一生懸命に走り、けなげに頑張る姿を目に涙を浮かべながら見守るご両親やお祖父ちゃんお祖母ちゃんのご様子を目にすると、こちらまで胸が一杯になりました。

 「文句なく小3までの孫かわい」 最近の新聞川柳欄にこんな句がありました。全く同感同感です。

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園児絵画展 第四銀行住吉町支店で開催中

 6月13日(月)より7月14日(金)迄の予定で、うさぎ・ぱんだ・ぞう組の皆さんの作品が展示中です。どうぞご覧になって下さい。

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持ち物・着替えの名前記入確認のお願い

 一日一日気温が上昇中、季節は間もなく夏本番。汗のためやこれからのプール遊びなどで衣服を頻繁に着替える季節になりました。成長の早い年頃の園児達の着物や履物は2年と同じものがもちません。最初はちゃんと記名していたつもりでも新調などのため気がついてみると名無しのシャツや持ち物が多くなっていませんか。どうぞ一品一品チェックして記名されることを切にお願いします。

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皆さん「いかのお寿司」をご存じですか?

「いか」⇒ 知らない人についてイカない
「の」  ⇒   〃  人の車にのらない
「お」  ⇒ おお声を出す
「す」  ⇒ すぐ逃げる
「し」   ⇒ 知らせる

 子ども達の安全を守るために警視庁が考案した防犯標語で、左記のような意味。子どもさんと一緒に復誦して下さい。

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第121回創立記年日にあたり|2011年6月

 明治23年(1890年)6月1日に赤沢保育園は創立致しましたので本日は第121回目の記念日に当たります。記念品に代わりましてささやかですが粗菓を用意いたしました。ご賞味のよすがにと拙文にお目通し戴ければ光栄です。
 さて当保育園の法人名は左の玄関の看板の通り「守孤扶独幼稚児保護会(しゅこふどくようちじほごかい)」と申しますがその由来と意味するところをご説明させていただきます。 創立者赤澤鍾美(あつとみ)は明治11年から公立小学校の教師を勤めておりましたがその後明治23年小中学校課程の私塾を開設致しました。 当時の教育事情状況について若干ご説明いたしますと、明治初年当時の一般家庭の経済水準は今では想像できないほど貧しく低いものでした。大半の家庭はその日の糧・食糧を確保することで精一杯というところで、せっかく明治政府が明治5年に義務教育制度を発足させ、現在と同様に7歳になると小学校に通学することを義務付けてみても、子どもが一日弁当を持って通学出来るだけの余裕ある家庭は本当に少なかったようです。

 明治20年頃の新潟町(新潟市となったのは明治22年)の入学率は20%前後で、すなわち5人に1人がやっとでした。また当時の一般家庭の子ども達は7~8歳ころになると男子は職人の徒弟(見習い弟子・手伝い)や商家の丁稚小僧(でっちこぞう・最下級の見習い奉公人)に女子は裕福な家庭や商家の家事見習い手伝いとか子守りとして生家親元を離れて他家に住み込んで働くことが多かった。その理由の大半はまず口減らしで親の子ども達の食費負担を軽減することでした。

 公立校に通学するゆとりのない子女で学習(基礎的な読み書きそろばん等)を心掛けるものは手近な学習所や知識ある個人に何がしかの謝礼(束脩・そくしゅう)を持参してその目的を達したようです。

 鍾美は小学校教師でしたのでそのような希望者に恵まれ求めに応じて「静修学校(せいしゅうがっこう)」と命名の私塾を礎町4丁目に開設発足したのが明治23年6月1日のことでした。その後明治26年に本町通り8番町の通称八軒小路に移り、さらに明治36年東湊町通り1ノ町(現在地点の西方40mほどの地点)に移った。礎町・本町通りの舎屋は何れも借家住まいでしたが礎町・本町当時の卒業生在校生が主体となって資金を集めさらに町の有力者などの後援ご協力を戴いて東湊町に専門の舎屋を建設して寄贈を受けて晴れて自前の校舎を保有するに至りました。その新校舎「静修学校」には発足当初から求めに応じて実施していた幼児保育のための保育室も併設されました。創立者鍾美は学校教育が主体で保育事業はついでのつもりで実施していたが、東湊町通に舎屋移転を機に幼児保育についても片手間ではなく本格的に取り組む決意を固めた。そしてその決意を「守孤扶独幼稚児保護会」なる名称で表明したのでした。その意味するところは、「孤は保育に孤なる児を守り、独は独り親を指しその独り親を扶(たす)け、そのような状況の幼稚児を保護する会」と命名した。

 その後、昭和23年児童福祉法が制定されその条文の中で保育所の機能が規定定義された。それによると保育所は保育環境が保護者の主として勤労により十分でない(欠ける)児童を援助する保育施設と定義された。「守孤扶独幼稚児保護会」の名称が児童福祉法の保育所の定義の主旨に添っていることと保育活動の開始が明治23年ということから、これぞ保育所の第一号となった次第です。 赤澤鍾美は昭和12年3月、72歳で亡くなりました。孫の現園長6歳のときでした。

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ママ・パパも お宝駈けるなり 亀田公園

 去る5月20日、きっちりお天気に恵まれて無事に遠足を終了することができましたことを喜んでおります。

 園児達が元気一杯に目的地の亀田公園の中を走り回る様子を眺めながら、表題の下手な句が頭に浮かんできました。さすがの「何でも鑑定団」も値段の付けようのない、ご両親にとっての大切な大切なお宝さん達が、亀田公園を元気一杯に走り回りました。

 お天気が良かっただけに最年少のひよこ組さんにとっては暑さのため体力的に少しきつかったようです。疲労のためか土日を経ての月曜日からのお休みは通常よりも増えました。また遠足後の気候の寒暖の差が大きかった影響も重なったためか、その後も軽い風邪引きが目立ちました。

 園児達は行事の一つ一つを経験する度に目に見えて成長致します。

とん汁も作って味わいました。

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6月の主な行事

 6月の主な行事は、運動会です。これも親子参加です。会場は近くの豊照小学校の室内運動場。実施運営には保護者の皆さんのご協力をお願いいたします。見学応援は自由ですから、一家そろってお出かけ戴く楽しい機会です。お楽しみに。

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園庭に子どもの家を造りました

 狭い園庭ですが左下の写真は園庭内の遊具を撮ってみました。ブランコ・滑り台・ジャングルジム・登り棒・雲梯と揃っております。この写真の撮影位置の後ろ側が砂場です。その砂場の奥に右下の写真のような「子供の家」を造ってみました。10年以上前になりますが、園長が手作りで子ども達のリクエストを取り入れながら赤ずきんちゃんのおばあさんの家を念頭にメルヘンチックな家を造りました。子ども達はそれで熱狂的に遊んでくれたことが思い出されます。

 今度は北海道に本物の山小屋建築の経験もある元本職大工さんの製作です。子ども達の新しい楽しみとなることでしょう。

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第四銀行住吉町支店で園児の絵画展

 上大川前通り12番町所在の第四銀行住吉町支店内の待合室ロビーの壁面展示個所に、園児達の作品を展示して戴くことになりました。展示期間は6月13日(月)からの予定です。終了の日取りは未定ですが、6月末までは展示していただけるかと考えております。

 なお展示作品の園児名表示は、想定外事態を考慮してフルネーム表示ではなく太郎、花子だけの姓を省いての表記をご了解下さい。

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年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず|2011年5月

年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず(ねんねんさいさいはなあいにたり さいさいねんねんひとおなじからず)

 春になりました。近くの豊照小学校の桜も今年も同じように見事に咲きました。園児達のメンバーは少しずつ変わりましたが、4月18日に今年も同じようにお花見散歩を楽しみました。

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英語学習開始時期のまとめ:

 3月の園だよりから始めたこの問題ですがまとめを試みますと‥‥、

 10歳頃までに育った言葉の訛りは一生消えないものと一般的に言われております。その通りかも知れませんが必ずしも決定的ではありません。東南アジアの各地に旧日本兵(最近ではほとんど亡くなられましたが)が各地で発見されましたが、その方々の大半は日本語を忘れて現地語以外話すことができないようです。当然の事です。新潟ではあまり実例がないかもしれませんが、帰国子女が日本に住まい始めて何年も経たないのにせっかく憶えた外国語をすっかり忘れてしまう例は珍しくありません。

 英語辞書の神様岩崎民平や同時通訳の草分け国弘正雄も何れも(旧制)中学に入って初めて英語に接したと3月号で紹介しました。4月号では英語とは違いますが伊能忠敬のように50歳を越してから学び始めた測量学で世界的レベルの高水準の地図を作製したことに触れました。要は強固な動機と継続する努力がある程度のレベルに達するまでは不可欠なことを強調致しました。

 子ども時代は新しい事が大好きで分からないことを知りたがる好奇心の塊りの時期です。その好奇心の強さが学ぶ動機の強さに比例します。また同時に子ども時代は気まぐれの時でもあります。長続きしないですぐに別なものに気持ちが移りやすいことも特徴です。そんなことを繰返しながら何か打ち込めるものに突き当ることが大切です。

 大人の役割はその適する時期を選んで突き当る機会を出来るだけ多く用意してあげることではないでしょうか。これでは結局答えにはならないかもしれませんが。

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五月病 :

 ゴールデンウイーク前後になると耳にする日本独特の心のやまい症状をいいます。

 4月の新年度が始まってから一ヵ月、厳しい受験戦争や就職活動を耐え抜いて念願の難関大学に見事に入学したのはよいのですが、それまでの目標や生活リズムが大幅に変化し、新しい環境に対する初期の緊張感が和らぎ始める5月頃になると頭をもたげる心の不安定な状態を端的に表現した言葉が五月病と名づけられたようです。東大のキャンパスからこの名称は生まれたとも言われておりますが、東大生でなくとも、多かれ少なかれ誰しも環境が大きく変わった際には経験している現象です。入社・入学は人生の大きな節目ですから環境や生活リズムは大きく変化します。そんな時に誰しもが体験し乗り越えているのです。

 同様な現象は子ども達にも 乳幼児の段階から当然あります。子どもの場合は心よりも体ではっきりと拒否を反応します。幼児の場合は遠慮気兼ねなしに全身でそっくりかえって泣き叫んで表現します。時によっては第三者であっても見ていてもそのつらさを同感することもあります。肉親にとっては大変つらいことです。そこで負けてはいけないと分かっていても負けてしまいそうになります。

 そこで負けてはいけません。負けるが勝ちという諺がありますが、この場合、その諺は当りません。負けは負けです。大人の気持ちのつらさは結構あとを引きますが、子どもの場合は大人ほどいつまでも引きづりません。しかも最初が肝心です。いったん大人の気持が負けると子どもは敏感にそれを感じとり、次からはその大人の気持の弱さを十分に期待して子どもは精一杯拒否反応を表現します。そこで負けてはますますいけません。環境やリズムの変化に巧みに適応できる本性を引き出すことがますます遅くなり重症になります。

 心のたくましさや辛抱強さは人間の持って生まれた資質であって後天的なものではないといわれておりますが、実は幼少時の特に0~1歳時のこのような体験を通して培われ築かれるのではと実感しながら観察しております。人生のつらい体験を通して逞しさや辛抱強さが育っていくのだと考えるならば子育ての辛さは実は子どもの貴重な人間資質形成の大切な瞬間なのです。

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