ラン活は年中さんの冬から始めるのが今では一般的なのだそうです。そもそもラン活とはランドセルを購入するための準備だそうで、年々その勢いは増しているようです。しかしその一方では加熱するラン活に異議を唱える親たちも多くいるようです。私個人としては、一生に一度のことだし良いものを奮発したいという親心も十分理解できるのですが、最近のランドセルの価格を見ると、あまり納得ができません。
若いころ皮革製品の製造に携わったことがあるので高価なコードバン(馬の皮)が使われているランドセルに高い値段が付くのは分かるのですが、合皮のランドセルに5万円以上の値段が付いているのにはどうにも理解に苦しみます。また高級コードバンを使用した10万円以上のランドセルを子どもが毎日背負って通学するということも、いろいろな意味でハラハラして落ち着きません。
ランドセルは江戸末期にオランダから来た布製リュック「ランセル」が発祥とされています。その後、明治18年に学習院で通学カバンとして導入され、昭和30年頃に一般の小学生の通学カバンとして普及したようです。現在も日本国内のほとんどの小学生がランドセルを通学に使用していますが、地域によってはランドセルを使用していない所もあるようです。
京都では「ランリック」小樽では「ナップランド」と呼ばれるナイロン製のリュックが通学カバンの主流です。またアウトドアメーカーのモンベルは富山県立山町と共同で通学用バック「わんパック」を開発、この冬から全国販売されます。(立山町では来春以降、公立小学校に入学する子どもたち全員にこの「わんパック」がプレゼントされるそうです。)どのカバンも皮革製ランドセルよりもはるかに軽く、価格帯は1万円前後と親のお財布にも優しく、使う子どもの立場からみても、ランドセルよりずっとこちらの方が良さそうに思えます。しかしランドセルが主流の地域でナイロン製のリュックをランドセルとして子どもに背負わせるには「ほかの子と違うからいじめられるのでは」という懸念もあり、別の意味で革製のランドセルよりも重いものを子どもに背負わせてしまうようで覚悟がいります。
安全性や機能面、そして子育て世代への経済負担を考慮した上で、前出の地域のように行政や学校側などで一律に取り決めを作ってくれることを願ってやみません。