子どもの将来のことを考えない親はどこにもいないでしょう。贅沢な望みや過度な期待はしない、月並みな表現ですが、幸せな人生を歩んでもらいたい、親になりたてだった頃は腕の中で眠る小さな我が子を眺めそう願ったものでした。やがて保育園を卒園し、地元の小学校に通うようになると、学校の先生やクラスの友達との人間関係が気になりだしました。学校の成績などは二の次で『どうかいじめなどのトラブルにあわないよう、健やかに楽しい毎日を送ってほしい』そんな祈るような思いで毎朝学校に向かう子どもの背中を眺めて見送ったものでした。
その後、なんとなく周りの風潮に乗ってしまい子どもたちを学習塾に通わせることになりました。過去の事を後悔することはあまりないのですが、塾に通わせ中高一貫の私立学校へ進学させたことについては、果たして子どもたちにとって良い選択だったのだろうかと今でも半信半疑です。
自分自身が社会に出て嫌というほど味わった学歴差別を、実は子どもたちの人生を通して無意識のうちに見返してやりたかったのではないかと、そのために子どもたちは遊ぶ時間を犠牲にし塾通いを強いられたことを申し訳なく思わずにはいられないのです。
結果として荒れていた当時の公立学校には進まずに済んだことは良かったのかもしれないが、じゃあ公立の学校に進んだ子どもたちがすべて不幸で大変だったのかというと、全くそんなことはないはずです。
子どもの幸せを願って、親は何をすべきなのでしょう。みなさんの選択肢と視野が少しでも広がるよう、私自身が見聞きしたこと、経験したこと、学んだことを今後この場で少しずつシェアできれば良いなと思っています。 (次月に続く)