日を追うごとに暖かさを増し、春の光にあふれる今の時期はとても好きな季節なのですが、どうにも煩わしいのが花粉です。毎年春のこの時期に飛ぶスギ花粉のアレルギーを持つ人はおおよそ日本国民の半分といわれており、私ももれなくその半分に該当する花粉症の一人です。今では朝のニュースでも花粉の飛ぶ量を教えてくれ、当然のように存在する花粉症ですが一昔前?いやだいぶ前、私が子どものころには花
粉症という言葉はなかったように記憶しています。
花粉症が国民病として知られるようになったのは1970年代の後半で、それ以前はスギ花粉よりもブタクサと呼ばれる「セイタカアワダチソウ」の花粉がぜんそくなどを引き起こす悪者として存在していました。では昔は何で花粉症がなかったのでしょう?一般的にはスギやヒノキを建材として使うため数多く植林されたことによって、さらには道路や地面がコンクリートで舗装されるようになり飛んできた花粉が行き場を失ってしまったから、と言われています。
では花粉症は何歳から発症するのでしょうか?親にアレルギーの素因があればその子どもが花粉症になる確率は高くなります。早ければ0歳から発症する場合もあるようです。2月から4月の花粉が飛ぶ季節に鼻づまりやくしゃみ、目をこする、口をぽかんと開けたままにしている、といった症状が見られる場合は花粉症の可能性が高いです。子どもの花粉症が悪化してしまうと中耳炎や副鼻腔炎、ぜんそくなどを引き起こしてしまう場合もありますので、そうなる前に耳鼻科や眼科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
ところで花粉症って治るものなのでしょうか?体質なので難しいように思うのですが、現在は花粉症に限らずダニやハウスダスト、食物アレルギーの場合も、アレルギーの原因となる物質をごく少量ずつ体の中に取り込んで徐々に体を慣らしていくという治療法があるようです。私自身も子どもの頃からアレルギー性鼻炎と診断され、20代の頃はかなりひどい花粉症の症状に悩まされましたが、現在は以前ほどひどくは
ありません。周囲にいる同年代の人の中には「花粉症が出なくなった」と言っている人も存在します。長年体に蓄積してきた花粉のおかげで耐性ができたのでしょうか?それとも日常生活の中でうまく花粉を避ける術が身についたのでしょうか?定かではありませんが、症状は確実に軽くなっています。
花粉が飛ばなくなるまであとひと月ほど。しばらくの辛抱ですが、上手に花粉対策をして春の到来を楽しんでいただけたらと思います。