昨今の少子化問題やいじめ、貧困や虐待など、子どもをめぐる問題に取り組むため、今年の春にこども家庭庁が設立されました。では具体的にこども家庭庁は子どもや子どもを持つ家庭に何をしてくれるところなのでしょうか?いろいろ気になるので少し調べてみました。
設立された背景にまず「少子化に歯止めがかからない」状況が挙げられています。2021年時点の出生数は81万人と過去最少となりました。ちなみに第2次ベビーブームと呼ばれた昭和48年の出生数は209万人でした。
こども家庭庁の役割としては『小学校就学前のこどもの健やかな成長のための環境の確保、家庭における子育て支援体制の整備、こどもの適切な遊び場や生活の場の確保、安全安心な生活環境の整備、保健の向上、虐待・いじめ防止』などが掲げられています。また保育園も厚生労働省からこども家庭庁の管轄になりました。
そしてこども家庭庁の設置に伴い「こども家庭庁設置法」「こども家庭庁設置法の施工に伴う関係法律の整備法」「こども基本法」という3つの法律も制定されました。それぞれの法律の中身にさっと目を通してみましたが、正直な感想を述べると至極当然なことが書き連ねてあり、そしてそこまで子ども中心に考える必要があるのか?という印象で、どちらかというとこれら法改定は、今までの国の縦割り行政を打破するための策であって、私たち国民側にはあまり変化は無いように感じました。
ところでこの「こども家庭庁」の子どもの表記がひらがななのは当事者である「子ども」にも読めるように、「こどもの日」もひらがなだから、という理由からだそうです。官僚のみなさまが必死に子ども目線になって考えてくださっている熱意は伝わるのですが、そんなことよりも先にもっと考え、解決すべきことがたくさんあるのではないか?と意地悪な感想を持ってしまいます。子ども一人を育てるのに、たくさんのお金がかかる今の世の中では、若い人たちは将来に希望を持てないのではないでしょうか。実際、30代の独身女性と話をする機会があったので結婚や子育てについて聞いてみたところ「得られるものよりも苦労の方が大きそうで興味が持てない」という残念な答えが返ってきました。給付金などというその場しのぎの策に頼ることなく、根本的な改善がなされることを願ってやみません。