この「ワンオペ」という言葉を知ったのは確か1~2年ほど前、某SNSの知人の投稿からでした。「週末は主人が仕事でワンオペなので実家に行きます。」というような内容の文章だったでしょうか?「ワンオペって何なに?」と疑問に思いつつも彼女の文章を読みすすめ、それが「一人で育児をする」という意味だと気づくのにそう時間はかかりませんでした。「そんな言葉が今は流行っているのか~。」と、ふと自分が育児をしていた30年ほど前を思い出していました。「当時の私にとって育児のワンオペは当たり前だったなぁ。時代は良い意味で変わったのだなぁ。」
某SNSの彼女のように頼れる実家も近くになかったため、いざという時の頼みの綱はご近所の同じ年の頃の子どもがいる、いわゆる「ママ友」たちでした。ごはんのおかずを分担して作ったり、ママチャリに子どもたちを乗せて買い物や遊びによく出掛けたりしたものでした。当時は大変でしたが、毎日がとても楽しく、私は子育てと専業主婦業を謳歌していたのでした。しかし、そんな楽しい時間も長くは続かなかったのです。あまりにも楽しそうにしている私に嫉妬したかどうかは定かではないのですが、旦那がある日突然仕事から帰ってきて「お前も働け。保育園申し込んできたからな。」と言うではないですか。「はぁ?保育園申し込んだってどういう意味?私仕事してないのに。」「だからこれから仕事探して来いよ。」「はぁ?」・・・。そんなやり取りを経て、私は泣く泣く近所のスーパーのパートに出ることになりました。
そんなことは何も知らずに遊ぶ子どもたちを横目に、私は泣きながらミシンを踏んで保育園のお布団カバーやら通園バッグなどを準備したことを今でもはっきりと覚えています。
それから5年間、旦那は一度たりとも保育園の送り迎えをしてくれることはありませんでした。何度かお願いしたことはありましたが、そのたびごとに「それは俺の仕事ではない。」の一点張りでした。
今更ここで恨み節を言いたいわけではないのですが、当時を振り返って思うのは、おそらく旦那も彼なりに育児を手伝ってくれていたのです。実際に子どもたちを連れて出掛けたり、面倒を見てくれたりもしました。ただしやってくれることの範囲と家事育児の分担の境界線は私の望むものとは大きくかけ離れていただけで、ワンオペだと思っていたのはおそらく私だけだったと思うのです。
今の保育園で子どもたちの送り迎えをしているパパたちの姿を見ると「私ももっと上手に旦那に育児に参加してもらうべきだった。」と、当時の未熟だった自分を残念に思うのです。お迎えに来てくれたパパに喜んで駆け寄る子どもの姿。なんとも微笑ましい光景です。彼は一度もそれを体験することなく、子どもたちはあっという間に成長してしまいました。
子どもが小さいうちは「早く大きくなあれ」と思うものですが、過ぎてしまうと本当にあっという間です。ですから、どうかみなさまも貴重な子育て体験を逃すことなく、十分に楽しんでもらえればと思います。
ちなみにワンオペはワンオペレーションの略で、ワンオペレーションは和製英語だそうです。