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年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず|2011年5月

年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず(ねんねんさいさいはなあいにたり さいさいねんねんひとおなじからず)

 春になりました。近くの豊照小学校の桜も今年も同じように見事に咲きました。園児達のメンバーは少しずつ変わりましたが、4月18日に今年も同じようにお花見散歩を楽しみました。

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英語学習開始時期のまとめ:

 3月の園だよりから始めたこの問題ですがまとめを試みますと‥‥、

 10歳頃までに育った言葉の訛りは一生消えないものと一般的に言われております。その通りかも知れませんが必ずしも決定的ではありません。東南アジアの各地に旧日本兵(最近ではほとんど亡くなられましたが)が各地で発見されましたが、その方々の大半は日本語を忘れて現地語以外話すことができないようです。当然の事です。新潟ではあまり実例がないかもしれませんが、帰国子女が日本に住まい始めて何年も経たないのにせっかく憶えた外国語をすっかり忘れてしまう例は珍しくありません。

 英語辞書の神様岩崎民平や同時通訳の草分け国弘正雄も何れも(旧制)中学に入って初めて英語に接したと3月号で紹介しました。4月号では英語とは違いますが伊能忠敬のように50歳を越してから学び始めた測量学で世界的レベルの高水準の地図を作製したことに触れました。要は強固な動機と継続する努力がある程度のレベルに達するまでは不可欠なことを強調致しました。

 子ども時代は新しい事が大好きで分からないことを知りたがる好奇心の塊りの時期です。その好奇心の強さが学ぶ動機の強さに比例します。また同時に子ども時代は気まぐれの時でもあります。長続きしないですぐに別なものに気持ちが移りやすいことも特徴です。そんなことを繰返しながら何か打ち込めるものに突き当ることが大切です。

 大人の役割はその適する時期を選んで突き当る機会を出来るだけ多く用意してあげることではないでしょうか。これでは結局答えにはならないかもしれませんが。

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五月病 :

 ゴールデンウイーク前後になると耳にする日本独特の心のやまい症状をいいます。

 4月の新年度が始まってから一ヵ月、厳しい受験戦争や就職活動を耐え抜いて念願の難関大学に見事に入学したのはよいのですが、それまでの目標や生活リズムが大幅に変化し、新しい環境に対する初期の緊張感が和らぎ始める5月頃になると頭をもたげる心の不安定な状態を端的に表現した言葉が五月病と名づけられたようです。東大のキャンパスからこの名称は生まれたとも言われておりますが、東大生でなくとも、多かれ少なかれ誰しも環境が大きく変わった際には経験している現象です。入社・入学は人生の大きな節目ですから環境や生活リズムは大きく変化します。そんな時に誰しもが体験し乗り越えているのです。

 同様な現象は子ども達にも 乳幼児の段階から当然あります。子どもの場合は心よりも体ではっきりと拒否を反応します。幼児の場合は遠慮気兼ねなしに全身でそっくりかえって泣き叫んで表現します。時によっては第三者であっても見ていてもそのつらさを同感することもあります。肉親にとっては大変つらいことです。そこで負けてはいけないと分かっていても負けてしまいそうになります。

 そこで負けてはいけません。負けるが勝ちという諺がありますが、この場合、その諺は当りません。負けは負けです。大人の気持ちのつらさは結構あとを引きますが、子どもの場合は大人ほどいつまでも引きづりません。しかも最初が肝心です。いったん大人の気持が負けると子どもは敏感にそれを感じとり、次からはその大人の気持の弱さを十分に期待して子どもは精一杯拒否反応を表現します。そこで負けてはますますいけません。環境やリズムの変化に巧みに適応できる本性を引き出すことがますます遅くなり重症になります。

 心のたくましさや辛抱強さは人間の持って生まれた資質であって後天的なものではないといわれておりますが、実は幼少時の特に0~1歳時のこのような体験を通して培われ築かれるのではと実感しながら観察しております。人生のつらい体験を通して逞しさや辛抱強さが育っていくのだと考えるならば子育ての辛さは実は子どもの貴重な人間資質形成の大切な瞬間なのです。

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