年間恒例行事の中で12月下旬に実施した「郵便ごっこ」があります。これは模擬はがきを使って子ども自身ではがきを書いてお友達や先生に送ったりするのです。
しかし手紙を書くことは大人にとっても簡単な仕事ではありません。いくら書きやすいはがきであっても子どもが自分自身で内容を考え文字を書いて仕上げるのですから高度な頭脳作業です。それだけに年長児ぞう組限定行事になります。
年長組の皆さんにしてもはがきらしく仕上がっているのははっきり言って少ない。それどころかいくら眺めても推定しても読むことが難しいもののほうが多い。それでも子ども達が悪戦苦闘した結果を目にすることは、それぞれの努力工夫の跡を辿ること出来て読んでいて楽しい。それぞれの成長振りや大人とは違った着眼点や考え方が分かったりしてどきりとさせられたり、教えられることも多い。日頃子ども達と接触し密着しているのでそれなりに子ども達のことは分かっているつもりでも気付かされることは少なくない。
では次に、実際の子どもたちの作例の幾つかを原文のままご紹介します。
①えんちょうせんせいへ えんちょうせんせいはしつこいけどわからないことわおしえてくれる うちのおじいとわおおまちがいですね ○○○より
※階段を降りるとき一段毎に両足を一旦揃えてから降りているので、左右の足を交互に歩行と同じようにして降りるように頑張りなさいと何度か注意したのが気になってるようです。おおまちがい は大違いと言いたかったのではないでしようか。
②わたしは土曜日かまくらをつくりました。さとう先生は土曜日なにをしていましたか。 □□□□(より)
※この人のはがきはこの通りに漢字まじりで書かれており、□印個所は自分の名前をしっかりと漢字で書いてありました。句読点の(。)もきちんと付け、(より)は参考までに付け加えました。漢字の字形もしっかりと整っており、小学校2~3年生としても通る立派な出来上がりです。
③たなかせんせいかぜひかないれね ぞうぐみ ○○
④あおきせんせいおしごとがんぱってねいつもおそうじがんぱってね そうぐみ○○
⑤やまもとせんせいいくもおそうじがんぱてね ○○○○○○
※いくもこれはいつもと書いたつもりでしよう。「つ」が幼年期にはよく見られる左右反対の鏡文字になったと思われます。
⑥みさわせんせい かぜひかないでね ぞうぐみ○○○
職員宛はがきの大部分をご紹介致しました。ここにご紹介しないものもありますが、それらはイラストや模様ばかりで文がなかったり、あってもどうにも判読できないものでした。
子ども達の目線にどんな風に大人の姿が映っているのでしょうか? はがきを通してその暖かい思いやりの視線を知ることが出来ましたことは嬉しい収穫でした。