園だより」カテゴリーアーカイブ

引きこもり|2021年9月

 どの局のどういった番組だったか覚えていないのですが、先日たまたま目にしたテレビ番組につい見入ってしまい、とても感動してしまったことがあります。

 始めは『最近こういう類の(ロボットが接客する最先端技術を体験できる)サービスが増えてきたな』という印象でロボットが働いているカフェの映像を何気なくながめていたのですが、その店で働くロボットたちは、実は遠く離れた場所から、何らかの理由で働くことも外出することも困難な人たちが操っているというのです。その遠隔で働いている人たちの中には難病で眼球しか動かせない重度の障害を持つ人もいて、視線による入力といった最先端のテクノロジーでロボットを操縦し、接客もこなしているのだそうです。そして遠隔で働く彼らには当然のことながら働いた分のお給料が支払われているのです。

 このカフェを運営する人物は過去に引きこもりを経験し、その時の体験がこのロボットカフェをオープンさせる大きな原動力になったのだそうです。様々な状況下で外出や働くことができない人々とその家族に大きな希望の光と社会とのつながりを与えた彼の功績は偉大で感動するとともに、このような発想が生まれにくい利益追従型の世の中や働き方も、このコロナ禍を機に何か大きく変革しなければいけない時期に差し掛かっているのではないか、と番組を観終わった後もしばし深く考えさせられたのでした。

 私の知人で動物の保護活動を個人ボランティアで精力的に行っている人がいます。彼女の献身的かつ情熱的な活動は、時に「そこまでする?家族や彼女自身は大丈夫なの?」とハラハラさせられることもあるのですが、そんな彼女の熱心な活動はSNSを通じ多くの人の支持と共感を得ているのです。そんな彼女も過去の多感な時期に引きこもった経験があり、その時に唯一彼女の心を支えてくれた動物たちに今は恩返しをしているのだそうです。

 両者ともに望んで引きこもったわけでもなく、その間には本人も周囲も想像を超えるほど悩み苦しんだに違いないはずです。でもその長く苦しい時期があったからこそ、現在の彼らがいて、それはまさに「人生において無駄な時間や出来事など何一つない」ことを体現しているのです。

 今現在、たとえそれが失敗や無駄、ネガティブに見える物事の渦中にいたとしても、それは将来の大きな飛躍への助走であり必要な充電時間なのだと思います。

忙しいという言葉|2021年8月

 一日に何度となく「忙しい」という言葉を使っていませんか?  もちろん仕事と家事と子育てを両立していれば、時間に余裕などあるはずもなく、つい無意識に出てしまうのがこの「忙しい」という言葉でしょう。

 かくいう私もこの「忙しい」を連発する人であり、そしてある時まではこの言葉を使うことに何のためらいも感じていませんでした。しかし、とある研修でこの「忙」という漢字は、心を意味する立心偏「忄」に、「亡」という旁が組み合わさってできていて、忙しさは心を亡くしてしまうことなのだ、と教わって以降、この「忙しい」という言葉を意識してなるべく使わないように心がけています。

 しかし、なるべく使わないようにしていても、つい口から出てしまうこの厄介な言葉。言ってしまった後で、忙しく振舞う自分の姿が、周りに威圧感を与えてはいなかっただろうか、自分はこの言葉を免罪符代わりにして何かから逃れようとしたのではないか、と反省しています。でも、忙しければその言葉を発する以前に、自分の身振りや形相から「忙しいオーラ」が発せられてしまっているのです。誰かが何かを伝えたいのに、その隙を与えないのは「忙しい」と言い放っているのに等しいのです。

 思い返せば子どものころ、大人たちから言われた「今、忙しいから後にして」というセリフは、すべてが一瞬にして止まってしまう冷淡な呪文のように感じたことがありました。

 子どもの言っていることすべてに耳を傾けることは不可能です。でも時には忙しい手を休め、子どもの言葉にじっくり耳を傾けてみはどうでしょう。ひょっとすると失くしてしまいかけた何かが心の中によみがえってくるかもしれません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

水の事故にご注意ください

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため開設を取りやめる海水浴場もあるようです。海水浴に出掛ける際は適切に安全管理が行われている海水浴場で、指定された遊泳エリア内であることを確認してから泳ぎましょう。

 水辺では子どもから絶対に目を離さずに、手の届く範囲で見守りましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

緑のじゅうたん・緑のカーテン|2021年7月

 新潟県の都市緑花センターが主催する「にいがた緑のじゅうたんプロジェクト」に応募したところ、赤沢保育園はモデル園に選ばれました。6/14にはさっそく緑花センターの方々にご指導していただきながら、みんなで芝生の苗を植えました。

 今はダンゴムシやカタツムリばかりの園庭も、芝生を植えることでバッタなどの違った昆虫もやってきます。園庭遊びの際も砂埃や泥で靴が汚れることもないし、裸足で芝生の上を歩くこともできます。

 夏の間は養生のために園庭遊びができなくなりますが、ちょうど暑くなってくる頃なので、2階テラスで水遊びが始まります。夏が終わるころには園庭一面が緑のじゅうたんになる予定です。

 2階テラスではプランターできゅうり・ゴーヤを栽培して、緑のカーテンにする予定です。良いお天気が続いてるおかげで、きゅうりの成長がとても早く、先日よりみんなできゅうりの収穫をして、収穫したキュウリを給食で出してもらっています。

 自分たちでお世話をしたきゅうりを自分たちの手で収穫して食べるのは、きっと子どもたちにとっても印象深い経験になってくれていることと思います。

遠足だった日|2021年6月

 一年前の今頃は「来年はきっと親子遠足にいけるだろう」と漠然と思っていましたが、結局一年経っても事態は変わらずで、今年も親子遠足は中止となりました。コロナでできなかったことを諸々悔やむよりも、今は今の状況の中できることを楽しむ。それを改めて実感したのが、今年の春の遠足の日でした。

 先生方は遠足の週に入ると遠足の日が雨の予報であることを気にし始めました。「遠足の日は雨予報だけど、その前日は晴れるみたい。」ということで、急遽遠足の日の前日にお散歩へ行き、遠足当日は保育園の中で遊ぶことに決定しました。

 天気予報は見事に当たり、遠足の前日は晴れ、遠足当日は雨でした。もしこれがバス遠足だったら・・・雨で残念な遠足に終わっていたところです。

 「遠足だった日」の当日には、保育園の中が子どもたちの遊び場に大変身しました。園舎の中は子どもたちの楽しそうな歓声が響き渡ります。ディズニーの着ぐるみを着た先生に大喜びしたり(若干名大泣き)ゲームをしたり、広くなった園舎の中をたくさん走り回ったり、みんなとても楽しんでいました。遊んだ後は、待ちに待ったお弁当の時間です。好きな場所でお弁当を広げて、おうちの人に作ってもらったお弁当をどの子もみんな嬉しそうにほおばっていました。

 長引くコロナ禍で「なぜ今なんだろう」「コロナじゃなければもっと・・・」と思うことも多々あることかと思いますが、子どもたちにとって、おうちの人の愛情を感じながら食べる手作りお弁当があるだけでも、その日一日が特別な思い出の日になるようです。

 ところで最近、一部の子どもたちに算数ドリルが大人気です。「足し算楽しい、もっとやる!」とプリントが足りなくなることもしばしば。子どもたちはいろいろな物事に興味を持ち、些細なことも楽しみに変えてしまいます。大人たちの「きっと子どもは勉強が嫌いだろう」という固定概念で子どもたちの可能性の芽を摘み取ってしまうことのないよう、どんどん興味を広げてあげられたら良いな、と思っています。

新園舎での生活|2021年5月

 新年度が始まりひと月が経ちました。新入園児さんも加わり、朝夕の送り迎え時は普段よりも一層にぎやかな毎日です。時おり在園児が新入園児を気遣っている様子も見受けられ、ほほえましい限りです。お天気の日には、園庭や広い屋上で遊んだり、すべすべの無垢の床をはだしで走り回ったり、お昼には美味しい自園給食も復活し、子どもたちの新しい園舎での生活はまずまずの様子です。

新園舎での保育がスタートしました|2021年4月

 待ちに待った新園舎が完成しました。130年の赤沢保育園の歴史の中で6代目となる園舎には、今までの園舎で得られた経験をもとに、先生方の夢や工夫が随所に盛り込まれています。広く、明るく、機能的で開放的な空間を存分に使って、子どもたちの心と身体がより一層健やかに育まれる保育を目指してまいりたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

令和2年度 行事アンケート集計結果発表

 新型コロナウィルスの蔓延、そして仮園舎での生活と、過去に前例のない一年となった令和2年度でした。様々な制約を受けながらも、子どもたちや保護者のみなさまの心に残るような楽しい行事をと、工夫を凝らして企画・運営してまいりました。みなさまからお寄せいただいた意見を参考に、今後もより良い保育園行事を作っていきたいと思います。

 【感想・ご意見】この状況の中で運動会を開催してくれてありがたかった、クラスごとに応援席が決まっていたので見やすかった、動けなかったので自分の子がよく見えなかった、事前に観覧席の場所がわかっているとなお良かった、種目の内容(親に向かってゴールする、各クラスの保護者に近いところで演技をする)などの配慮が嬉しかった、先生方の準備や競技の間も連携よく動いていてスムーズに進行し観やすかった、コロナ対策なので仕方ないが保護者の競技がなかったのが残念だった、等々

 【感想・ご意見】クラスの写真がかわいかったので購入できたら良かった、アッという間に時間が過ぎてとても楽しめた、クラス写真のレイアウトがかわいかった、来年も楽しみにしています、コロナで行事が中止になっている中作品展にくることができて良かった、時間帯を分けているので密にならずに観覧できて良かった、ブドウ狩りが見るだけでなく参加型になっていて楽しかった、ヨーヨーが親子で楽しめた、子どもが帰りたがらなかったのでもう少し時間があってもよかった、等々

 【感想・ご意見】会場の消毒なども行っていて安心して楽しめた、ホールだったので観やすくゆったり座れて良かった、コロナが落ち着いてからも3部制にするのは良い案かも、先生方の準備に感謝、大変な時期に本当にありがとうございました、子どもたちの成長がよくわかるとてもいいお遊戯会でした、素敵なお遊戯会でした、子ども達の生き生きとした姿が観られとても幸せでした、久しぶりに大笑いし感動して泣いた、せっかくの素敵な衣装だったので写真を撮る時間があるとよかった、等々

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新園舎の完成|2021年3月

 旧豊照小学校の校舎で過ごす時間も残りわずかとなりました。保育園の園舎とは違い、はだし保育には不向きな床で急遽上履きもご用意いただきました。夏場は涼しく快適だった校舎も冬場は寒く水道水も氷水のよう、さらに追い打ちをかけるような大雪で、連日の雪かきに先生方も大変ご苦労をされておりました。それでも子どもたちは冬の寒さなどお構いなしに、広い教室や廊下をのびのびと楽しそうに走り回っていました。

 3月20日(土)には待ちに待った新しい園舎が完成します。 新園舎への引越しは3月21日(日)、そして新園舎での保育は3月22日(月)からを予定しています。

 新しい園舎の玄関を入ると左手すぐに一時預りのりすの部屋と階段、奥には遊戯室、右手にはひよことこあらの部屋があります。

 2階は階段上がって手前からぞう組、ぱんだ組、うさぎ組、という配置になります。屋外遊技場は狭い園庭代わりに外遊びやプール遊びをする予定です。

 建物全体が少し奥に移動したので、路肩スペースも多少広がり、車での送迎も以前より楽になると思います。建物右手には保護者専用の駐車スペースもご用意しました。新園舎では23日から自園での美味しい給食がスタート、27日に卒園式、31日は園児による竣工式、GW頃に一般に向けた新園舎お披露目会を行う予定です。

 みなさま、新しい赤沢保育園を楽しみにしていてください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

赤沢保育園オリジナルトートバック

 赤沢保育園オリジナルトートバッグを作りました。在園児のご家庭におひとつずつ差し上げます。色はナチュラルとグレーの2色で園章バッジ付です。詳しくは追ってご案内いたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

癒しの動揺・絵本|2021年2月 

 年明け以降、大雪や感染者数増加のニュースばかりで、何となく気持ちが明るくなりません。そんな気持ちを一瞬でも忘れさせてくれるような、見ていて微笑ましくなるものが、世の中でじわじわと人気を集めているようです。

 「第35回童謡こどもの歌コンクール」で銀賞を受賞した2歳の女の子。大きなグランドピアノをバックに、小さな体で上手にリズムを取りながら歌う「いぬのおまわりさん」の動画も、そのうちの一つのようです。可愛らしい女の子の歌う姿は、国内外を問わず、多くの人の心を癒やしています。この女の子に限らず、子どもの歌う声はエネルギーに満ち溢れ、聞く人の心を優しく前向きにしてくれる秘められたパワーがあるように思います。

 「第1回TSUTAYAえほん大賞」を受賞した『パンどろぼう』という絵本は、大人が見ても、子どもが見ても楽しい絵本です。とぼけた顔のパンどろぼうがユーモアたっぷりに描かれています。パン屋さんという身近な舞台で繰り広げられるファンタジーは、子どもの想像力を刺激し、空想の世界はむくむくと広がっていくことでしょう。

 絵本の読み聞かせは、子どもの想像力を育み、豊かな想像力は未来の創造へとつながっていきます。絵本を読んでもらうことで、こどもたちは新たな言葉や物ごとと出会い、思いやりや優しさなども学んでいきます。そして何よりも大好きな家族のぬくもりを近くに感じながら過ごす時間は、親子や家族の絆をより深め、将来大切な思い出となるでしょう。

 今はインターネットやスマホアプリでも、目的や年齢に合わせた絵本を探せる便利な時代になりました。そればかりか絵本の読み聞かせアプリなどもあるようですが、先に述べたように、絵本の読み聞かせは家族の大切なスキンシップの時間になります。赤沢保育園でも絵本のご案内は随時しております。どんな絵本が良いのか、いつから読み聞かせをしたら良いのか等、ご質問がありましたらいつでもお気軽に職員までお声がけください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

英語遊びの新しい先生

 今まで英語遊びを担当してくださっていたAJ先生ですがお仕事の都合で急遽お辞めになることになりました。

 AJ先生に代わって1月14日より英語遊びを担当してくださっているのは、ケビン・オニール先生です。ケビン先生はアメリカ・カリフォルニア州出身で、新潟に来て25年以上になります。新潟市内で英会話学校を経営されており、また他の保育園でも英語を教えているベテランの先生です。オリジナル教材やカリキュラムも豊富で、英語遊びの時間ではギターを使いながら、楽しく英語に触れあう時間を子どもたちに提供してくださいます。新しいケビン先生をどうぞよろしくお願い致します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お手伝い|2021年1月 

 早いもので今年も残すところあとわずかとなりました。

 例年、年末年始は家族旅行や帰省をされていたご家庭も、今年はどこへも行かずに家で過ごすという方も多いのではないでしょうか。そうなると悩ましいのがご飯の支度です。年末年始なのでいつもより少し豪華に、と思っても、手の込んだものは面倒だし、かと言ってありきたりなメニューでは特別感に乏しいし、悩ましいところです。そこで、この年末年始はごはんの支度を子どもに手伝ってもらってみてはいかがでしょうか。

 すでに子どもにはお手伝いをさせている、というご家庭もあるかと思いますが、もしまだでしたら、この機会に始めてみてはいかがでしょう。

 子どもと一緒に作るおすすめメニューは「サンドイッチ」や「ピザトースト」、「サラダ」に「カレーライス」あたりでしょうか。もし子どもがお手伝い初心者さんなら、まずは「野菜を洗う」「玉ねぎの皮をむく」「ピーマンの種を取る」「レタスをちぎる」といった野菜の下ごしらえから始めてみましょう。最初はやり方を見せてあげて、次は一緒にやって、コツを掴めたら、なるべく一人でやらせてあげてください。もし子どもがお手伝い上級者さんならなら、ピーラーを使ってジャガイモやニンジンの皮剥きをしてもらっても良いですね。ただし、台所には危険なものがたくさんあります。火や刃物を使わせる際は、目を離さないよう十分気を付けてください。なお、包丁や火を使った調理のお手伝いは、小学校に上がってから、というのが一般的なようです。もちろんその子どもの得手不得手や経験にもよりますので、子どもに合わせた無理のないお手伝いをさせてあげてください。

 「ごはんの支度を手伝う」という体験は、子どもにとってはアドベンチャーですが、親からしてみれば時間はかかるし、散らかるし、自分でやってしまった方がよっぽど早い、と思ってしまうことでしょう。でも子どもはお手伝いを通して様々な感情の芽生えや学びの機会を得ることになります。調理前の野菜や魚、肉などに触れることは、食べ物に対する興味や知識、感謝の気持ちを持つきっかけになるでしょう。調理器具の扱い方を知れば、その便利さと同時に危険性も学ぶでしょう。そして自分が作業の一端を担って完成した料理を家族が「おいしい!」と言って食べてくれれば、自分のしたことで家族が喜んでくれた、という自信と更なる意欲につながるでしょう。

 ごはんの支度に限らず、おもちゃの片づけやカーテンの開閉、玄関の靴をそろえるなど、日常の中には小さな子どもでもお手伝いできることがたくさんあります。

 どのご家庭でも、子どものお手伝いは多かれ少なかれ将来戦力になってくれるはずです。最初は親も忍耐が必要ですが、時間や気持ちにゆとりのある時は、なるべく子どもにお手伝いをさせてあげてください。うまくいけば将来、子どもの作ったごはんに目頭が熱くなる日が訪れることでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

豊照体育館の利用について

 仮園舎に移って以降、体育遊びの際に利用していた豊照体育館ですが、今年の12月で管理・運営を行っていた会社が、豊照体育館から撤退する事になりました。

 したがいまして、来年1月以降から新園舎に引っ越す3月下旬までの間の体育遊びは、仮園舎内のスペースを利用して行う事といたします。 どうぞよろしくお願い致します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

思うは招く|2020年12月 

 先日Youtubeを眺めていて、ふと目に留まったのが、北海道の赤平というところで会社を経営されている植松努さんという社長さんの講演でした。動画再生回数はすでに400万回を超えている有名な講演なので、既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、そのお話の内容がとても素晴らしかったので、ここで少しだけご紹介できたらと思います。

 彼は幼いころ、祖父母にとてもかわいがられて育ち、宇宙を夢見る本好きな少年に育ちました。宇宙に憧れを抱いた少年が中学生になった頃、彼は学校の先生に「宇宙なんて、よほど頭が良くなきゃ無理だ。お前なんかには出来るわけがない。どうせ無理。」と言われ、悲しみに暮れます。「夢って何?実現出来そうな事しか夢見てはいけないの?今できないことを追いかけるのが夢なんじゃないの?」と彼は疑問を抱き、そして周囲の無理解に心が折れそうになりなります。それでも伝記の中のライト兄弟やエジソンを励みに頑張り続け、紆余曲折を経て、最終的にロケットを作って打ち上げるという子どもの頃の夢を実現させます。

 そんな彼の心を終始支え続けたのが、中学生の頃にお母さんから教わった「思うは招く」という言葉です。思い続けたら夢は実現するよ、という意味の言葉です。その一方で、彼を深い絶望と悲しみに追いやったのが「どうせ無理」という言葉でした。この言葉は唱えるだけで人の自信と可能性を奪い、またそれと同時に何もしない事を正当化できる恐ろしい言葉だ、と彼は言います。この「どうせ無理」という言葉を世の中から無くし、その代わりに「だったらこうしてみたら?」という言葉を世界中に流行らせたい、というお互いを思いやる優しさの込められたメッセージで彼の話は締めくくられます。

 彼の話を聞き終えて「ああ、なんて素晴らしい話だろう。」という清々しい気分の傍らで、もしかしたら私は親として、自分の子どもたちに「どうせ無理」という類の言葉で彼らの可能性や未来を奪ってはいなかっただろうか、という不安を感じずにはおれませんでした。

 私の子育てはもう時すでに遅し、ですが、今まさに子育てに奮闘されている皆さまには是非ご覧いただきたい、そう思える素晴らしい動画でした。

思うは招く -植松努- https://youtu.be/gBumdOWWMhY